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インド進出の基礎知識まとめ・インド税務ガイド2021-付加価値税(GST)編

インド進出の基礎知識まとめ・インド税務ガイド2021-付加価値税(GST)編

解説:日本経営ウィル税理士法人
インド駐在チームリーダー 古東 翔二朗

インド税務ガイド-付加価値税(GST)

1.基本情報

1)概要

2017年6月以前のインドでは、中央政府が課税する物品税・サービス税・中央売上税、また、州政府が課税するVAT等の複数の間接税が存在し、それぞれの課税対象や課税時期が異なりとても複雑な仕組みでした。

2017年7月1日以降はモディ政権により、現在のGSTへと統一されました。

付加価値税(GST=Goods and Services Tax(物品サービス税))の課税対象は、付加価値として、物品取引、サービス取引の両方が対象となります。GSTは次の3種類があり、取引によって対象のGSTが異なります。

① SGST:State Goods and Services Tax
② CGST:Central Goods and Services Tax
③ IGST:Integrated Goods and Services Tax

2)課税期間

インドのGSTの課税期間は、4月1日~3月31日と定められています。

3)申告期限

GSTの申告フォームは、GSTR1~10まで分類されているため、企業によって申告が必要な資料が異なります。基本的には、翌月20日が月次申告・納税期限となり、年次申告は翌事業年度の12月31日までとなっています。

なお、年間売上2,000万ルピー以上のGST登録者は、GST監査を受ける必要があります。

4)取引別の対象となるGST

GSTは、仕入または売上の取引によって、対象のGSTが異なります。

・州間取引の場合 = SGST(州政府)+ CGST(中央政府)
・州際取引の場合 = IGST(中央政府)

① 仕入の場合

仕入先GSTの種類
海外企業IGST
州外企業IGST
州内企業SGST + CGST

② 売上の場合

仕入先GSTの種類
海外企業0%
州外企業IGST
州内企業SGST + CGST

5)サービスの輸出

サービスの輸出にかかるGSTは、IGST法に基づいて、次の条件を満たした場合に0%となります。

  1. サービス提供者の所在地がインド国内
  2. サービス受領者の所在地がインド国外
  3. サービス提供がインド国外で行われている
  4. サービス対価の受領が、為替換算可能な外貨で行われている
  5. サービス提供者とサービス受領者が同一法人内ではなく、それぞれ独立した企業である

6)GSTの相殺

GSTは、次の組合せにおいて、仕入GSTと売上GSTを相殺することができます。

相殺元相殺先①相殺先②相殺先③
SGST〇 IGST〇 SGST× CGST
CGST〇 IGST〇 CGST× SGST
IGST〇 IGST〇 CGST〇 SGST

7)複数拠点保有時のGST

GST法は、拠点単位で考えられるため、各拠点間の取引もGSTの課税対象となります。各拠点ごとにGST番号が付与されるため、各拠点ごとの申告が必要です。

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2.GTSの税率

1)GSTの税率区分

課税対象税率
生活必需品0%
医薬品、その他生活関連5%
衣料品、その他生活関連12%
多くの物品サービス18%
高級品28%

2)GSTの税率別物品サービス例

税率対象物品サービス例
0%生鮮食品、小麦粉、塩電力、新聞、教育、ヘルスケア関連サービス、郵便サービス など
5%医薬品、加工食品(魚類加工食品、乳加工品)、砂糖、香辛料、灯油、エコノミークラスの航空券、小規模飲食店、衣料品(1,000ルピー未満)など
12%衣料品(1,000ルピー以上)、加工食品(肉加工品、冷凍肉、バターなど)、携帯電話、日用消費財、ビジネスクラスの航空券、ACなしのホテル
18%消費財、食品、家電(冷蔵庫、洗濯機、掃除機など)、機械部品、一部自動車部品、化粧品類、工業機械、ITサービス など
28%自動車(四輪、二輪完成車、一部部品)、映画、その他(飛行機、タバコ、7,500ルピー以上もしくは5つ星ホテル)など

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レポートの執筆者

古東 翔二朗(ことう しょうじろう)
日本経営ウィル税理士法人
インド駐在チームリーダー

日本経営ウィル税理士法人に入社後、主に税務顧問・財務コンサルティング業務に従事し、2016年よりタイの提携事務所に2年間出向。日系企業の進出支援や記帳代行サービス、保険業務の日本人コーディネーター業務を行う。2018年11月よりインド(デリー/グルガオン)へ赴任。現在インドの提携事務所にデスクを置き、日系企業の対応を行っている。

本稿は掲載時点の情報に基づき、一般的なコメントを述べたものです。実際の税務・経営の判断は個別具体的に検討する必要がありますので、税理士など専門家にご相談の上ご判断ください。本稿をもとに意思決定され、直接又は間接に損害を蒙られたとしても、一切の責任は負いかねます。

  • 事業形態 事業経営
    オーナー・個人
  • 種別 レポート

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