日韓の国際税務で他の会計事務所と連携/二国間の制度的違いを乗り越えるために必要な専門性と経験
日韓国際相続への対策チーム
本稿は、月刊実務経営ニュース2021.01「巻頭特別企画」の抜粋記事です。
解説:日本経営ウィル税理士法人
顧問税理士・社会保険労務士・一級建築士・行政書士 親泊伸明
トータルソリューション事業部 主任 林田啓輔
トータルソリューション事業部 李 榕濟
日韓の国際税務で他の会計事務所と連携
―― 親泊先生は、国際税務・相続のニーズは今後も増えるとお考えですか。
親泊 はい。国際化がさらに進み、10年後には海外に住む日本人も倍増するかもしれません。そうなれば、海外で亡くなる方や、海外に財産を持つ方も増えるでしょう。国際相続のニーズはますます高まると見ています。
当社のトータルソリューション事業部の国際税務部門では、相続を含め、海外進出や移転価格の税務など、さまざまな国際税務のお手伝いもしています。現在、フィリピンに事務所を置いていますが、今後はインドにも進出する予定です。最初の数年は赤字覚悟で、将来に向けた投資をしていきたいと考えています。
―― 林田主任と李さんに、トータルソリューション事業部の一員としての抱負をお聞きします。
李 私は韓国にいるときから、人と関わる仕事に憧れていました。日本に来てからも、相続という分野で日本と韓国の両国にまたがる仕事ができて、とても充実した日々を送らせていただいています。
林田 相続税申告もそうですが、韓国内にある預金から生じる利息や、日本へ送金した際などは、日本でも確定申告しなければならない場合があり、思わぬ税金が発生する場合があります。今後も引き続き、そのような面でも積極的にお手伝いしていきたいと思います。
―― 貴社が今後、国際税務・相続ビジネスをどのように展開していくかについてお聞かせください。
親泊 私どもは、海外子会社の組織再編なども手掛けており、会社の規模によってはBIG4の事務所とも連携して取り組んでいます。
それと並行して、まずは日韓における国際税務でナンバーワンの地位を確立するとともに、それを税理士の業界と在日韓国人の方々に認識していただけるよう努めます。同時に、韓国以外の外国に財産をお持ちの方の支援にも、積極的に取り組んでいきたいと思っています。
―― 最後に親泊先生から、弊誌の読者である会計事務所の皆様にメッセージをお願いします。
親泊 私どもはこれまでにも、全国の税理士の先生方からご依頼いただき、韓国の相続税申告や相続手続きも併せて、包括的にお手伝いさせていただきました。
このように、税理士に求められているのは税務申告だけではありません。その前後にもニーズはあります。特に、日韓どちらの民法を選ぶべきか、日本と韓国の財産のバランスをどうしておくべきかといったことは、生前に取り決めておくことが重要です。
日本では、配偶者の相続分に対して半分まで税金がかからないので、生前に韓国内の財産を日本に移しておくだけでも節税対策になります。また、被相続人が誰に財産を残したいかによって、日韓どちらの民法を適用すべきかも変わってきます。
生前にお客様の希望をヒアリングしておくと、一層お役に立つことができます。顧問先に在日韓国人の資産家がおられたら、一度、どちらの民法を適用するかなど話だけでも聞いてみられてはいかがでしょうか。(略)
―― 本日は、国際相続について大変貴重なお話をいただきました。ありがとうございました。
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日本経営ウィル税理士法人
韓国税務担当 顧問税理士 親泊伸明
韓国税務担当 主任 林田啓輔
韓国税務担当 李 榕濟(イ・ヨンゼ)
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担当:李 榕濟(イ・ヨンゼ)
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