「ものづくり補助金」第18次公募開始、「中小企業省力化投資補助金」の事務局公募開始
「ものづくり補助金」第18次公募開始
「中小企業省力化投資補助金」の事務局公募開始
解説:日本経営ウイル税理士法人
トータルソリューション事業部 MAS監査チーム
今回のテーマは、「ものづくり補助金」第18次公募開始、「中小企業省力化投資補助金」の事務局公募開始、です。
はじめに
昨年12月27日に公募要領が公表された「ものづくり補助金の第17次締切」ですが、昨月1月31日に「第18次締切」についても公募要領が公表されました。
ものづくり補助金については「17次締切」と「18次締切」で公募期間の違いや要件、申請枠に違いがありますので、注意が必要となります。
また、1月26日には令和5年度補正予算で公募開始が決定した「中小企業省力化投資補助金」の事務局公募が開始され、公募要件の概要が判明しました。
現時点で判明している概要をお知らせいたします。
ものづくり補助金(第18次締切)
期間 | ・公募開始 :2024年1月31日(水)17:00~ ・電子申請受付:2024年 3月11日(月)17:00~ ・申請締切 :2024年 3月 27日(水)17:00まで【厳守】 ※補助事業実施期間内(最遅で2024年12月10日まで)に、発注・納入・検収・支払等の全ての事業の手続きを完了し、実績報告書を提出すること。 ※17次締切の公募に応募した事業者は、18次締切の公募には応募できません。 |
要件 | 【基本要件】 以下を満たす3~5年の事業計画書の策定及び実行 1.事業計画期間において、給与支給総額を年平均成長率1.5%以上増加。 2.事業計画期間において、事業場内最低賃を、毎年、地域別最低賃金+30円以上 3.事業計画期間において、事業者全体の付加価値額を年平均成長率3%以上増加 |
申請枠 | 17次締切とは違い、今回は申請枠が3枠あり、それぞれで対象経費や上限額が異なります。 |
1.省力化(オーダーメイド)枠 ※17次締切と同じ
対象経費 | 人手不足の解消に向けて、デジタル技術等を活用した専用設備(オーダーメイド設備)の導入等により、革新的な生産プロセス・サービス提供方法の効率化・高度化を図る取り組みに必要な設備・システム投資等。 ※デジタル技術等を活用した専用設備(オーダーメイド設備)とは、ICTやIoT、AI、ロボット、センサー等を活用し、単一もしくは複数の生産工程を自動化するために、外部のシステムインテグレータ(SIer)との連携などを通じて、事業者の個々の業務に応じて専用で設計された機械装置やシステム(ロボットシステム等)のことをいいます。 デジタル技術等を活用せず、単に機械装置等を導入する事業については、本事業の対象とはなりません。 |
補助金額 | |
補助率 | |
要件 | 追加要件(基本要件に加えて以下の全てを達成が必要) 1.事業計画期間内に、設備投資前と比較して労働生産性が 2倍以上となる事業計画を策定すること 2.事業計画期間内に、投資回収可能な事業計画を策定すること 3.外部SIerを活用する場合、事業計画期間内における保守・メンテナンス契約を中小企業等とSIer間で締結することとし、SIerは必要な保守・メンテナンス体制を整備すること 4.本事業に係る資金について金融機関(ファンド等を含む。)からの調達を予定している場合は、金融機関による事業計画の確認を受け、確認書を提出すること |
2.製品・サービス高付加価値化枠
この枠は、さらに「通常類型」と「成長分野進出類型(DX・GX)」の2つの類型に分かれます。
対象経費 | ◼ 通常類型 革新的な製品・サービス開発の取組みに必要な設備・システム投資等を支援。 ◼ 成長分野進出類型(DX・GX) 今後成長が見込まれる分野(DX・GX)に資する革新的な製品・サービス開発※の取組みに必要な設備・システム 投資等を支援。 ※導入した設備・システムを用いて、自社の技術力等を活かして製品・サービスを開発することをいい、単に設備・システムを導入するにとどまり、製品・サービスの開発を伴わないものは該当しません。 |
補助金額 | ◼ 通常類型 ◼ 成長分野進出類型(DX・GX) |
補助率 | |
要件 | 追加要件(基本要件に加えて以下の全てを達成が必要) ◼通常類型・成長分野進出類型(DX・GX)共通 (1)3~5年の事業計画期間内に、新製品・サービスの売上高の合計額が、企業全体の売上高の10%以上となる事業計画を策定すること (2)本事業に係る資金について金融機関(ファンド等を含む)からの調達を予定している場合は、金融機関による事業計画の確認を受け、金融機関による確認書を提出すること ◼ 成長分野進出類型(DX・GX)のみ (3) DX:DXに資する革新的な製品・サービスの開発であること GX:グリーン成長戦略「実行計画」14分野に掲げられた課題の解決に資する革新的な製品・サービスの開発であること ◼ 新型コロナ回復加速化特例の要件 ※通常類型のみ 以下の全ての要件に該当するものであること (1) 常時使用する従業員がいること (2) 2022年10月から2023年8月までの間で、3か月以上地域別最低賃金+50円以内で雇用している従業員が全従業員数の10%以上いること (3) 補助事業を完了した事業年度の翌年度の3月末時点において、その時点での給与支給総額が1.5%以上増加目標を達成していること (4) 補助事業を完了した事業年度の翌年度の3月末時点において、その時点での事業場内最低賃金が地域別最低賃金+50円以上の水準を達成していること |
3.グローバル枠
対象経費 | 海外事業を実施し、国内の生産性を高める取組みに必要な設備・システム投資等 ※ 海外事業とは、①海外への直接投資に関する事業、②海外市場開拓(輸出)に関する事業、③インバウンド対応に関する事業、④海外企業との共同で行う事業をいいます |
補助金額 | 100万円~3,000万円 |
補助率 | |
要件 | 追加要件(基本要件に加えて以下の全てを達成が必要) (1) 本事業に係る資金について金融機関(ファンド等を含む)からの調達を予定している場合は、金融機関による事業計画の確認を受け、金融機関による確認書を提出すること (2) 海外事業に関する実現可能性調査を実施していること (3) 社内に海外事業の専門人材を有すること又は海外事業に関する外部専門家と連携すること (4) 以下のいずれかの要件に該当するものであること <各事業要件> ① 海外への直接投資に関する事業であって、以下の全てを満たすこと。 1.国内に所在する本社を補助事業者とし、補助対象経費の2分の1以上が海外支店の補助対象経費となること、又は海外子会の事業活動に対する外注費、若しくは貸与する機械装置・システム構築費に充てられること。 2.国内事業所においても、海外事業と一体的な機械装置等を取得すること。 3.応募申請時に、海外子会社等の事業概要・財務諸表・株主構成が分かる資料を提出すること。 4.実績報告時に、海外子会社等との委託(貸与)契約書とその事業完了報告書を追加提出すること。 ② 海外市場開拓(輸出)に関する事業であって、以下の全てを満たすこと。 1.国内に補助事業実施場所を有し、製品等の最終販売先の2分の1以上が海外顧客となり、計画期間中の補助事業の売上累計額が補助額を上回る事業計画を有していること。 2.応募申請時に、事前のマーケティング調査に基づく、想定顧客が具体的に分かる海外市場調査報告書を提出すること。 3.実績報告時に、想定顧客による試作品等の性能評価報告書を提出すること。 ③ インバウンド対応に関する事業であって、以下の全てを満たすこと。 1.国内に補助事業実施場所を有し、製品・サービス等の販売先の2分の1以上が訪日外国人となり、計画期間中の補助事業の売上累計額が補助額を上回る事業計画を有していること。 2.応募申請時に、想定顧客が具体的に分かるインバウンド市場調査報告書を提出すること。 3.実績報告時に、プロトタイプの仮説検証の報告書を提出すること。 ④ 海外企業との共同で行う事業であって、以下の全てを満たすこと。 1.国内に補助事業実施場所を有し、外国法人と行う共同研究・共同事業開発に伴う設備投資等があり、その成果物の権利の全部又は一部が補助事業者に帰属すること 2.応募申請時に、共同研究契約書又は業務提携契約書(検討中の案を含む)を提出すること。 3.実績報告時に、当該契約の進捗が分かる実績報告書を提出すること。 |
※その他、詳細な要件については、ものづくり補助金の公募要領をご確認ください
[ものづくり補助事業公式ホームページ]
・ものづくり・商業・サービス生産性向上促進事業 公募要領(18次締切分)1.0版
中小企業省力化投資補助金
※現時点の内容であり、公募開始までに内容変更の可能性があります
対象経費 | 人手不足に悩む中小企業等が、中小企業省力化投資補助事業の対象とする機器等の一覧(以下「カタログ」という)」に掲載された機器を、同じくカタログに掲載された機器の販売や導入支援を行う事業者(以下「省力化支援事業者」という)から導入するための事業費等の一部。 |
期間 | カタログに掲載する省力化支援事業者と機器の選定を行った後、令和6年3月より公募開始を予定 |
要件 | 【基本要件】 1.人手不足の状態にある中小企業・小規模事業者等であり、客観的にそれを示す証憑を提示、あるいは人手不足が経営課題となっている旨の申告を行うこと。 2.補助事業終了後1~3年で付加価値額の従業員一人当たり付加価値額が年率平均3%以上増加する見込みの事業計画を策定すること。 ※付加価値額=営業利益+人件費+減価償却費 3.賃上げによる補助上限の変更を適用する場合は、申請時点で、申請要件を満たす賃金引上げ計画を従業員に表明すること。 ※補助事業終了時点において(a)事業所内最低賃金を年額45円以上の水準で引き上げること(b)給与支給総額を年率平均6%以上増加させる宣言をすること |
補助金額 | |
補助率 | 全て1/2 |
※その他、詳細な要件については要領をご確認ください
[中小企業基盤整備機構]
・「中小企業省力化投資補助事業」に係る事務局の公募要領
さいごに
「ものづくり補助金」については、令和5年度補正予算において既に公募が2回程度と発表されており、今回の18次締切が今年最後のチャンスとなります。申請を検討してみてはいかがでしょうか。
「中小企業省力化投資補助金」については、詳細が発表されましたら情報発信させていただきます。
ご不明点等ございましたらお気軽にお問い合わせください。
企業経営の改善・税務顧問は、日本経営ウィル税理士法人
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