在日韓国人 相続お役立ちチャンネル

「韓国相続・贈与」ポイント ピックアップ

日本経営ウィル税理士法人

このチャンネルでは、在日韓国人の方の相続や贈与の、ちょっとしたノウハウ・ポイントをピックアップしています。

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家族関係登録制度…

相続人の調査…

兄弟の戸籍簿の取得…

どの国の裁判所に…

相続人が分からない…

不動産の売却時期は…

韓国の家族関係登録制度

2022/04/04

韓国では、2007年12月31日をもって戸籍制度が廃止され、2008年1月1日から、新しく家族関係登録制度がスタートしました。

そのため、2007年12月31日以前に、戸籍から外れていた人(別の戸籍になっていた人)については、新しい家族関係登録簿には最初から記載されず、別の家族関係登録簿に記載されることになります。

今回のピックアップの事例、兄弟である甲さんの行方が分からないという事例ですが、もう少し詳しく書くと、甲さんは、お母さんの前夫との間の子供だったのです。すなわち、お母さんは、亡くなられたお父さんと結婚する前に、別な方と結婚されており、そこで生まれた子供が甲さんだったということです。そして、その前夫と離婚され、お母さんは、その前夫の戸籍から除籍されておられました。なお、甲さんは、その前夫の戸籍に残られていました。

その後、お母さんは、亡くなられたお父さんと結婚され、2人の子供が生まれました。

その亡くなられたお父さんを戸主とし、お母さんと2人の子供で戸籍が作成されていたのですが、その戸籍が2007年末に廃止され、2008年に家族関係登録制度に変わった際に、戸籍に記載されていなかった甲さんのことについては、新しい家族関係登録簿には記載されないことになります。

そのため、残された兄弟が、お母さんの家族関係証明書を取得しても、そこには、甲さんの記載はなく、甲さんが生きているのか亡くなっているのかさえ分からないのです。

そこで、相続で必要であることを理由に、直接、甲さんの基本証明書や家族関係証明書の発行を領事館に申請しますが、以前のピックアップに書いた通り、今では、個人情報保護を理由に、兄弟であり、相続で必要であったとしても、なかなか、発行して貰えないというのが実情となっています。

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兄弟自身による相続人の調査ができる場合・できない場合

2022/04/04

前回までのピックアップで、相続人が誰か分からない場合には、戸籍簿や家族関係登録簿を基に、探していくことを書きました。 そして、日本の場合には、兄弟であっても、相続で必要ということになれば、他の兄弟が、行方のわからない相続人(甲さん)の戸籍を取得することも可能であり、司法書士などに依頼すれば職権で取得してもらうこともできることを書きました。

そして、戸籍簿から誰が、相続人であるかが分かれば、次は、その相続人がどこにいるかを住民票やいろいろな手かがりを基に探していくことになると書きました。

このように、日本の場合であれば、弁護士に依頼して、裁判所に相続財産管理人の選任の申し立てをしなくても、戸籍簿で追える範囲内のことであれば、相続人が誰かを調査することは、兄弟自身で行うことができます。

そのため、弁護士への報酬や裁判所への費用、相続財産管理人への報酬などを節約することができます。

ところが、以前のピックアップで書いたように、以前は出してくれた兄弟の戸籍簿や基本証明書・家族関係証明書などの家族関係登録簿は、今では、相続で必要なことを証する書類を提出しても領事館は発行してくれません。

一つの方法として、お母さんの家族関係証明書を取得し、そこに「子」として、甲さんが記載されており、生存していることが分かれば、甲さんが相続人として生存していることが明らかになりますが、いろいろな理由により、元々、甲さんが記載されていない場合や死亡している場合には、兄弟自身による相続人の調査は、そこで終了してしまいます。

その場合には、費用がかかっても弁護士に依頼して、裁判所に相続財産管理人の選任の申し立てをしてもらうことになります。 次回のピックアップでは、もう少し韓国籍の相続人の調査について書きたいと思います。

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韓国では兄弟の戸籍簿(家族関係登録簿)の取得ができない!!

2022/04/04

前回までのピックアップで、相続人が誰か分からない時には、家庭裁判所に相続財産管理人を選任してもらうことを書きました。相続財産管理人が選任されますと、選任された相続財産管理人が相続人を探すことになるのですが、それでは、どのように探すのかというと、まずは、戸籍簿(家族関係登録簿)を追いかけることになります。

事例の内容は、お母さんが亡くなられ、既に、お父さんは亡くなっておられて、子供さんが3人おられ、そのうち、1人の子供(甲さん)の行方が知れないというものでした。この場合、子供3人が相続人になりますが、もし、甲さんが亡くなっていて、甲さんに子供さんがいれば、その甲さんの子供が代襲相続人として、亡くなられたお母さんの相続人になります。

このような場合、相続財産管理人は、甲さんの戸籍を取得して、まずは、甲さんが生きているかどうかを確認することになります。甲さんが生きておられれば、相続人の調査は完了です。

甲さんが亡くなっておられて、甲さんに代襲相続人となるべき子供がいなければ、それで調査も終了です。

甲さんが亡くなっておられて、甲さんに代襲相続人となるべき子供がいる場合には、誰が代襲相続人になるかを調査します。

ここまでは、いずれも戸籍簿で確認できることであり、相続で必要ということになれば、日本の場合であれば、他の兄弟が、甲さんの戸籍を取得することも可能ですし、司法書士などに依頼すれば職権で取得してもらうこともできます。

誰が、相続人であるかが分かれば、次は、その相続人がどこにいるかを住民票やいろいろな手かがりを基に探していくことになります。

ところが、問題は韓国籍の被相続人や相続人の場合です。

同様の事例で、兄弟が甲さんの除籍謄本や基本証明書や家族関係証明書などを取得して、甲さんが生きているのか亡くなっているのか。また、亡くなっている場合に代襲相続人がいるかどうかを調べようとしても、相続で必要であることを伝え、そのことを証する資料を提出しても、領事館は、個人情報保護を理由に、甲さんの戸籍簿や家族関係登録簿は出してくれません。 その場合、どのようにしていくかは、また、次のピックアップで紹介させてもらいます。

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相続財産管理人は日本と韓国どの国の裁判所に申し立てるか?

2022/04/04

前回のピックアップで、相続人が誰か分からない場合、裁判所に相続財産管理人を選任してもらって、選任してもらった相続財産管理人が相続人を探すことになると書きました。

具体的には、前回の例でいうと、亡くなられたお母さんの最後の住所地を管轄する家庭裁判所に、相続財産管理人の選任を申し立てることになります。

ここで注意しなければならないことは、在日韓国人など、韓国籍の方の場合、そのような申し立てをする裁判所を勘違いされている方が多いことです。

韓国籍であったとしても、日本にある財産であれば、日本の裁判所で手続きをしないと、実際の執行ができないことになります。

相続に限定されませんが、いろいろな事件について、日本で裁判を起こすか、韓国で裁判を起こすかについて、裁判で勝訴したあと、実際に執行が可能かということが大変重要です。

例えば、日本と韓国に相続人がいる場合で、韓国にある財産について、日本の家庭裁判所に申し立てて、審判を得たとしても、その審判が韓国で執行できなければ、意味のないことになってしまいます。

日本の家庭裁判所の審判を韓国で執行しようとすると、改めて、韓国の裁判所で執行宣言を得るための訴訟を提訴しなくてはなりません。

そのため、韓国にある相続財産の分割を争うのであれば、日本の家庭裁判所ではなく韓国の家庭法院に申し立てを行う方が良いことになります。

逆に、日本にある相続財産を争うのであれば、韓国の家庭法廷ではなく日本の家庭裁判所に申し立てを行うことになります。 今回の場合は、日本にある預金や不動産の遺産分割についてでしたので、日本の家庭裁判所に相続財産管理人の選任を申し立てました。

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相続人が分からない場合や何処にいるか分からない場合の手続き

2022/03/30

相続人が誰か分からないのと、相続人が何処にいるのか分からないのとは意味が違います。

これは、韓国か日本かで異なるものではありませんが、韓国の場合、兄弟の基本証明書や家族関係証明書が取得しにくいことから、一つ手間が増えることになります。

事例を紹介する前に、相続人が分からない場合や相続人が何処にいるか分からない場合の手続きについて説明します。

相続人が誰か分からない場合、例えば、お母さんが亡くなって、既に、お父さんが亡くなっている場合、通常は子供が相続人になります。

例えば、子供が3人いたが、その子供のうち1人(仮に甲さんとします)の行方が分からない場合、行方不明の甲さんが生きていれば、その甲さんが、他の2人の子供とともに相続人になりますが、甲さんが亡くなられていた場合、甲さんに子供がいると、その甲さんの子供が相続人(代襲相続人)になりますので、甲さんが生きているのか死んでいるのか、また、亡くなっている場合には子供さんがいるかどうかを調べないと相続人が誰か分からないことになります。

遺言書がない場合には、相続人全員で協議して、遺産分割することとされていますので、相続人が分からないと、亡くなられたお母さんの財産を分割することができません。そのため、預金や不動産の名義を変更することもできず、当然、預金を引き出したり、不動産を売却したりすることもできません。

そこで、このように相続人が不明な場合には、裁判所で手続きをして、相続財産管理人を選任してもらうことになります。そして、その相続財産管理人が相続人を探すことになります。

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不動産の売却時期は相続開始後半年以上経過した後にずらす?

2022/03/25

相続財産の評価ですが、日本も韓国も原則は「時価」で評価するとしていますが、「時価」の算定は困難なことが多いので、日本では「財産評価基本通達」による評価、韓国では「補充的評価方法」による評価が実務的には行われています。

ところで、日本では「財産評価基本通達」を適用することが「課税の公平」だとして、原則として通達による評価が採用されています。

ところが、韓国の「補充的評価方法」は、あくまでも「時価」が不明や算定が困難な場合に限られていますので、例えば、相続税の申告期限内(通常は亡くなられた日の月末から6か月内)に、相続した不動産などを売却したりしますと、「時価」が明らかになりますので、その売却価額(時価)で相続税が課税される場合があります。

通常は「補充的評価方法」と売却価額に差がありますので、不動産の売却時期は相続開始後半年以上経過した後にずらすことができれば、相続税の節税につながるかもしれません。

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税務・相続の意思決定は、様々な判断材料に基づいて当事者様のご意思で行っていただく必要があります。本チャンネルは、日韓相続・贈与のポイントの一部をピンポイントでご紹介しているものです。実際に実行する際には、専門家等に個別具体的にご相談の上、根拠に基づいて意思決定する必要があります。本チャンネルをそのまま実行されたことに伴い、直接・間接的な損害を蒙られたとしても、一切の責任を負いかねます。