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税理士の経営・財産・相続トピックスVol.071「相続、争続、創続」

変革に必要な年月とは

少し前のことですが、改正信託法が平成19年9月から施行されています。

この法律は、なんと約80年ぶりの改正でした。欧米では、庶民にとって信託(TRUST)は一般的な感覚であることからすると、日本は80年も前の時代の仕組みを使い続けていたわけですから、大変な古典の世界です。時代に合わせて法律や仕組みを変革していくには、日本では長きの年数が必要なのです。

さて、民法における相続に関する規定が、この令和元年7月1日から施行されました。こちらの改正も約40年ぶりです。40年という期間もかなりの長さです。7月からの施行は「特別寄与料」の新設、「預貯金の仮払い制度」、「遺留分侵害額請求権」、「自宅生前贈与の遺産分割計算からの除外」など。

 

「特別寄与料」の新設

「特別寄与料」とは、被相続人の介護や看病に貢献した相続人ではない親族も、相続人に対し金銭の請求が可能になる制度です。今までは法定相続人には寄与分として介護の貢献等を考慮した制度がありましたが、法定相続人に限られていました。従って、義理の親を介護していたお嫁さんは対象外でした。

「特別寄与料」の新設により、詳細の決まりはあるとしても一定の権利が広がったという事です。

旦那さんの両親の介護をするのは当たり前の時代ではないという事です。微妙ですね…。

 

「創続」の気持ちをつなぐ

日本には所有者不明の土地が、日本全土の約20%にもなります。遺産分割が進まずそのままになっている土地、誰も引き継ぎ先がなくお金がかかるので手続きせずにほったらかしの土地、狭い日本では使えない土地が増え続けています。

「相続」は、よく「争続」と言われます。「争続」になれば「争族」になります。

次の世代に向けて争う承継ではなく、未来を創造する「創続」になるように、資産や事業を渡していく人は、将来の道筋や方向性を、最新の法律や仕組みを使って次世代への「思い」とともに準備して下さい。

法律が「争続」のための武器にならないように、未来を創造する「創続」の気持ちをつなぐ整備をしていただきたいと思います。

 

2019年8月1日
日本経営ウイル税理士法人
代表社員税理士 丹羽修二

 

本稿は掲載時点の情報に基づき、一般的なコメントを述べたものです。実際の税務・経営の判断は個別具体的に検討する必要がありますので、税理士など専門家にご相談の上ご判断ください。本稿をもとに意思決定され、直接又は間接に損害を蒙られたとしても、一切の責任は負いかねます。

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