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クリニックにおける2021年“冬”賞与の傾向とは?

7月の夏の賞与の調査以降も継続してクリニックの収益は回復の傾向が見られます。いまだコロナ禍でも以前に比べ落ち着きを見せている令和3年の冬期賞与に見える傾向とは?医院開業・経営の現場を、アンケート調査を踏まえてレポートします。

解説:日本経営ウィル税理士法人
宮前尭弘


2020年冬季賞与との係数(基本給の〇ヶ月分)の比較

100%以上 19%(52件)
100%程度 59%(161件)
90%程度 4%(10件)
80%程度 3%(7件)
70%程度 1% ( 3件)
60%程度~10%程 0% ( 0件)
例年通り支給なし 14%(40件)

※n=273件、昇給による増加分は考慮せず賞与係数にて比較

クリニックの収入は2019年と比較して回復傾向に

クリニックの収入は引き続き回復傾向

当社のお客様への調査によると、2021年春から、ほとんどのクリニックは収入が回復傾向にあり、2020年春の緊急事態宣言下から続いていた来院患者減少も、落ち着きを見せています。データによると、2021年9月の保険診療収入は、全診療科平均でコロナ禍以前の2019年9月と比較して約102%という結果となりました。

診療科目による回復傾向の違い

※当社調査(2021年9月と2019年9月の保険収入の比較 / n=354件)より
小児科:103% 耳鼻咽喉科:  85% 消化器内科:116% 外科:  93% 眼科:103% 皮膚科:100% 整形外科 :103% 歯科:  96%   内科:105% 心療内科:110%

診療科目による違いはどうでしょうか。

 2020年に影響の大きかった診療科目である小児科・消化器内科は特に回復の兆しが強く、2019年9月と比較して約103%・116%と、コロナ禍以前の年度を上回る収入となったクリニックも多くみられました。
 眼科・整形外科・内科も、2020年に比較的影響が大きい診療科目でしたが、2021年はコロナ禍以前の年度を上回る収入となっているクリニックが多くみられます。
 一方で、心療内科・皮膚科は2019年~2020年における患者数の減少が緩やかで、今年にかけての回復も堅調です。2019年と比較して100%を上回る先が多くありました。
また、耳鼻咽喉科・外科・歯科は影響が続き、同期間で比較すると85%~96%となっています。

今年の賞与をどう考えたのか

当社の顧客アンケートデータから見える傾向 2020年より増額は19%

 273件の医科・歯科クリニックに2021年冬の賞与の係数をどのように設定したかアンケートを行ったところ、全体の約59%を占める回答は、「2021年も継続して例年賞与予算の100%程度を支給見込」であり、そのほとんどが、2020年の冬季賞与予算を「例年通り支給する」と回答していたクリニックでした。
 全体の約19%のクリニックでは、「2020年冬よりも賞与予算を増額する」との回答が得られました。
 2020年において、冬季賞与における予算額を「2019年の70~90%」に抑えており今年は、例年の水準まで回復させるといったケースの他に、行政からの発熱外来に関する補助金やコロナワクチン収入の入金があり、その一部を賞与として職員に還元するといったケースが見られました。
 一方で、「2020年の冬季賞与予算の70~90%程度」と回答した全体の約8%のクリニックは、現在もコロナ禍による影響を受け減収しているケースであり、先行きを懸念して予算額を抑える傾向がみられました。
 例年、「全員一律 〇か月分」と係数設定をしていたものの、今年はコロナ禍での職員ごとの働きぶりに応じて、係数に個人差を付けるケースもありました。賞与評価では、「在籍に対する評価」「業務品質に対する評価」「将来への期待に対する評価」など複数の視点があり、クリニックによって何を重視するかは様々です。コロナ禍で、普段とは異なる業務や患者対応が発生し、職員ごとの仕事への姿勢や対応力をあらためて把握する機会となり、昇給・賞与の評価を見直したクリニックもあります。

アフターコロナのクリニック経営を見据えて

このように、今回の冬季賞与では、コロナ禍の影響が落ち着いており賞与も例年通りの水準に戻すクリニックが多く見られました。

一方で、10月からの『最低賃金の引き上げ』により、求人段階から待遇見直しを余儀なくされているケースもあります。ベースアップを実施する場合は、来年以降、昇給と賞与とのバランスをあらためて検討することをおすすめします。

専門家と共に施策を検討されたい方は、お気軽にお問合せください。

解説:医療事業部 宮前尭弘

本稿はご回答時点における一般的な内容を分かりやすく解説したものです。実際の税務・経営の判断は個別具体的に検討する必要がありますので、税理士など専門家にご相談の上ご判断ください。本稿をもとに意思決定され、直接又は間接に損害を蒙られたとしても、一切の責任は負いかねます。

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  • 事業形態 医療・介護
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