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診療所の経営・相続Q&A「金利と借り換え」

0001Q:開業して3年、これまで取引のなかった銀行から借り換えの提案を受けています。金利も低いので借り換えてしまおうと思いますが、どう思いますか。


 

A:マイナス金利政策が打ち出されて以来、銀行間での競争が激しくなり、クリニックにとっては、融資を受けやすい環境になっているかもしれません。クリニックは銀行にとって優良な貸出先のため、これまで取引のなかった銀行からも営業を受けられる機会が増えているのではないでしょうか。

 

お付き合いする銀行は、金利の低さだけでは選べない

新規開業であったとしても、10年前には考えられなかったような条件(金利水準)で融資が受けられるケースもあるようです。このとき問題となるのが、銀行を選ぶ際に、金利の低さだけで選んでよいのかどうか、ということです。

私はお客様が銀行を選択する際には、金利だけでなく、事業を運営していくための利便性、銀行のスタンスも含めた上で検討いただくようにアドバイスしています。最近、開業支援をした先生から、こんなエピソードを聞かされました。

30代前半の勤務医時代、アルバイト先も多く収入も安定しないとき、住宅購入の相談に、ある都市銀行を訪れた。窓口のスタッフが対応してくれたのだが、収入が安定しないので融資はできないと門前払いを受けた。

収入はそれなりにあるので、まさか断られると思っておらず、藁をもすがる思いで、向かいの信用金庫の門を叩いた。すると、そちらでは融資担当者が出てきて、親身になって相談に乗ってくれた。少しでも先生の要望に沿えるように、どうすれば融資ができるか一緒に考えてくれた結果、無事に住宅ローンを受けることができた。

 

困ったときに親身になって対応いただけるだろう銀行

先生は今でもそのことを覚えておられます。ご自身が開業を決意したとき、開業コンサルタントから融資を受ける先として銀行をいくつか紹介されましたが、最終的に選ばれたのは住宅ローンでお世話になった信用金庫だったのです。

「あの時、親身になって対応してくれた銀行だから、開業のときにも親身になって相談に乗ってくれるはず。」そんな想いがあったようです。実際、事業計画作成の際にも親身に対応いただき、先生の開業をサポートされたのでした。

経営に必要な要素として、「人・モノ・金」があります。お金についてのプロフェッショナルが銀行です。しかし、事業では、ただお金だけ借りられればそれでよいということではありません。

事業にはよいときもあれば、うまくいかないときもあります。うまくいかないときにも、仕事のパートナーとして相談できるかどうかが、事業の判断基準であるべきです。

現在、どの銀行も大変な営業努力をされており、融資条件は拮抗しています。金利1%の違いは大きいですが、0.1%程度の違いであれば、困ったときに親身になって対応いただけるだろう銀行を選択する方が、クリニック(院長)にとっては、大きな財産となるはずです。

(2017年8月20日 医療事業部 次長 小松裕介) 

 

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本稿はご回答時点における一般的な内容を分かりやすく解説したものです。実際の税務・経営の判断は個別具体的に検討する必要がありますので、税理士など専門家にご相談の上ご判断ください。本稿をもとに意思決定され、直接又は間接に損害を蒙られたとしても、一切の責任は負いかねます。

  • 事業形態 医療・介護
  • 種別 レポート

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