お役立ち情報

【判決】実取引価格通り輸入申告したが、課税官庁が異なる課税価格を適用/韓国の法律情報

[判決]実取引価格通り輸入申告したにもかかわらず、課税官庁が異なる課税価格を適用した場合には、5年の長期賦課除斥期間を適用することはできない
(出展:韓国法律新聞 2022/5/12)

※韓国の税務・経済・法律情報から注目のトピックスをピックアップし、日本語に翻訳してお届けします

納税義務者が実際の取引価格通り輸入申告をしたが、課税官庁が異なる課税価格の決定方法を適用して関税を賦課した場合、税法上課税価格決定方法のうち「課税価格の一部を申告しなかった場合」には該当しないので、5年の長期賦課除斥期間を適用できないとの判決が下された。

最高裁判所民事1部は、A社が釜山税関長を相手取って起こした関税など賦課処分取り消し訴訟について、原告勝訴判決を下した原審が確定した。

A社は国外関係者であるB社等からおもちゃを輸入して販売する会社で、シンガポール法人のC社がA社持分の100%を所有し、米国本社のD社がC社持分の100%を所有することによりA社はC社の子会社、D社の孫会社であった。

課税価格の一部を申告しなかった場合に該当しない

A社と輸出者であるB社は全て米国本社の100%子会社または孫会社として共同で米国本社の支配を直接·間接的に受ける関税法施行令第23条第1項第6号で定めた特殊関係にあり、納入先(委託者)商標による受託製造(OEM) 企業等からの生産物品は、輸出者であるB社がアジア市場販売のために完成品を保管する目的で運営する中国所在の物流倉庫に入庫され、A社からの注文によって物流倉庫から製品を船積みしA社に運送し、輸出者であるB社がA社に送り状を発行し、A社は送り状に記載された代金をB社に支払った。

一方、釜山税関は2016年1月からA社に対する調査を実施し、A社が2010年12月から2015年12月まで輸出者B社から物品を輸入し釜山税関に申告した物品の輸入価格と関連してA社とB社の間の特殊関係が取引価格に影響を与えたと判断して、A社の取引価格を否認し、各物品の国内販売価格を基礎とした課税価格を決定した。

これに伴い、釜山税関は2016年7月A社が輸入した物品の輸入申告に対して関税、付加価値税、関税加算税などを賦課し、以後税額決定の誤りなどを理由に、最終的に税額通知を通じて計54億ウォン余りを賦課した。 特に、A社の関税法第30条による輸入申告価格が低価格で申告され、価格の一部漏れがあったことで5年の長期賦課除斥期間が適用されるとして、関税法第33条による該当品目(バービー人形)の国内販売価格を基にした課税価格算定方法によって課税価格を決定し賦課した。

輸入会社勝訴原審確定

これを不服したA社は租税審判院に課税処分および更正通知に対して審判請求をしたが、租税審判院がこれを棄却したので、訴訟を提起した。

1審は「2012年7月以後に輸入申告がなされた輸入物品に関して同種·同類比率により利益および一般経費を算定しなければならないにもかかわらず、釜山税関は物品全てに関して2012年2月改正された関税法施行令により利益および一般経費を算定した」とし、「結果的にA社に有利な可能性があるとしても、そのような事情だけでは関税法令違反の瑕疵が治癒されるとは見難い」として原告勝訴判決した。

続けて「保険契約者が保険金を不正取得する目的で多数の保険契約を締結したかについては、これを直接的に認める証拠がなくても保険契約者の職業および財産状態、多数の保険契約の締結経緯、保険契約の規模、保険契約締結後の状況など諸般の事情を総合してそのような目的を追認することができる」とし原審を確定した。

2審は「租税法律主義原則上、租税法規は文言通り厳格に解釈しなければならない」として「納税義務者が実際の取引価格どおり輸入申告をし資料も提出したが、課税官庁が事後に異なる課税価格の決定方法を適用し物品の課税価格および関税額などを算定する場合には課税価格の決定方法に『課税価格の一部を申告しなかった場合』に該当するとは言えない」と判断し、1審と同様にA社の勝訴の判決を下した。 2審は「関税に関する法律関係を早期に確定するために賦課除斥期間を2年と規定した関税法第21条の立法趣旨が没却される恐れがある点などから、賦課処分のうち2013年8月以前に輸入申告された物品に対する部分は、関税法で定めた2年の賦課除斥期間が過ぎた後に行われたもので違法のため取り消さなければならない」と判示した。

最高裁もこのような原審を確定した。

A社を代理したチョ·ソングォン(55・司法研修院23期)キム&チャン法律事務所弁護士は「納税義務者が実際の取引価格通り輸入申告したにもかかわらず税関長がこれを否認し異なる課税価格の決定方法により算定された課税価格で課税する場合、納税義務者が一部申告しなかった場合に該当せず長期賦課期間が適用できないと判断した最初の事例」とし「関税法上の長期賦課期間適用基準を明示的に示したことに意義がある」と説明した。

出典:韓国法律新聞

日本経営ウィル税理士法人

韓国税務担当 顧問税理士 親泊伸明
韓国税務担当 李 榕濟(イ・ヨンゼ)

本コーナーは一般的な情報をお伝えすることが目的であり、翻訳の限界から正確性・網羅性を保証するものではありません。このトピックスをご参考に意思決定をされて直接・間接に何らかの損害を被られても、一切の責任は負いかねます。意思決定にあたっては専門家に個別具体的にご相談なさってください。

日韓国際相続に関するご相談・お問い合わせ
[韓国税務担当]050-5330-1313

担当:李 榕濟(イ・ヨンゼ)
受付時間9:30〜17:30(土・日・祝日除く)

  • 事業形態 事業・国際税務
    相続・オーナー
  • 種別 レポート

関連する事例

富裕層の相続税節税対策「タワマン節税」国側勝訴の最高裁判決の事例

  • 相続・オーナー

関連する事例一覧を見る

関連するお役立ち情報

記帳水準の向上に資するための過少申告加算税等の加重措置

  • 事業・国際税務
  • 相続・オーナー

関連するお役立ち情報一覧を見る