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【判決】「共同名義信託」母親の財産、任意管理は所有権侵害/韓国の法律情報

【判決】「共同名義信託」母親の財産、任意管理は所有権侵害
(出展:韓国法律新聞 2022/4/18)

※韓国の税務・経済・法律情報から注目のトピックスをピックアップし、日本語に翻訳してお届けします

共同名義で信託することに合意した母親の財産をめぐって、兄弟間で訴訟に発展。妹が兄弟に高額の損害賠償金を払うことになりました。

共同名義で信託することに合意した母親の財産をめぐって起きた兄弟間の訴訟で、妹が兄弟に高額の損害賠償金を払うことになった。

ソウル中央地方法院民事46部は、A氏とB氏が妹のC氏に対して起こした損害賠償請求訴訟で、最近「C氏はA氏とB氏にそれぞれ6600万ウォンを支払え」との内容の原告一部勝訴判決を下した。

A氏らは2013年11月、母親D氏名義の不動産が売却され、売買代金をどのように管理するかについて議論した。 彼らはまず母親が居住するマンションを購入し、残ったお金の一部を母親の生活費として、最終的に残った3億ウォンを4人共同名義で信託することに合意した。 このため、母親は2014年1月、ソウルにあるマンションを購入した。 しかし、A氏らは、その後合意による信託が行われずC氏が代金の一部を任意に管理して横領したとして、訴訟を起こした。

A氏らは「不動産は2006年に亡くなった父親の所有だったが、母親に名義信託したものなので実質的には家族に共同相続された」として「私たちは実質的共同所有である不動産代金を共同管理する趣旨で合意したが、妹が横領した」と主張した。

C氏は「不動産は母親の固有財産であり、母親が2014年1月に代金に一切関与しないようにと言って当初合意が破棄された」として「母親が直接代金を管理·使用しただけで、私はお金を使った事実がない」と抗弁した。

裁判所はA氏らの主張どおり、不動産新築当時、彼らの父親であるE氏が融資を受けて建物を購入したうえ、維持管理をした事実を考慮し、不動産名義だけを母親であるD氏にしたものであることを認めた。 また、これを基にした合意書も有効だと判断した。

続けて「母親D氏の口座に入金された売買代金は数回解約と新規預入を通じて最終2億ウォン程度が残った」として「その過程で巨額の現金または小切手が引き出されたが、口座解約と新規預入は殆どC氏の居住の近隣銀行で行われた」と明らかにした。

続けて「D氏は無学で読み書きすることが円滑でなく単独で巨額の金融取引をすることは難しいと見られるが、ATM機器を使った多数の取引内訳が確認される」として「売買代金はD氏の意思と関係なくC氏が全面的に管理したと見るのが合理的」と説明した。

それと共に「代金のうち信託することにした3億ウォンはA氏らが相続分によって所有することを前提とする」として「C氏が共同名義で信託もせず、納得できる使途も明らかにしない以上、合意に違反してA氏らの所有権を侵害したと見るのが妥当だ」と判示した。

出典:韓国法律新聞

日本経営ウィル税理士法人

韓国税務担当 顧問税理士 親泊伸明
韓国税務担当 李 榕濟(イ・ヨンゼ)

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  • 事業形態 事業・国際税務
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