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日常生活の中の様々な非課税の恩恵で「節税対策」を立てましょう!/韓国の税務情報

日常生活の中の様々な非課税の恩恵で「節税対策」を立てましょう!(出展:韓国国税庁公式ブログ 2022/3/28)

※韓国の税務・経済・法律情報から注目のトピックスをピックアップし、日本語に翻訳してお届けします

日韓相続とともに、お客様からご相談が多いのが「どうすれば節税できますか?」というご質問です。

非課税制度を有効活用することも節税対策の一つです。今回は、韓国でよく使われる非課税制度をご紹介します。韓国非居住者には適用できないものが多いですが、参考までに読んでいただければと思います。

税金を節約するための「節税対策」の中で断然トップに挙げられるのは非課税です。非課税は税金自体が発生しないため、所得が非課税所得のみの場合は、いくら税金を納めたくても納めることはできません。

節税の効果が大きい非課税の定義から、税法改正や制度によって受けられる「日常生活の中の多様な非課税の恩恵」の種類について確認しておきましょう。

非課税とは?

国が税金を賦課できる権利を「課税権」といいます。 非課税は最初から課税権がないものです。 最初から税金自体が発生しないので、非課税は申告の義務もありません。 代表的な非課税には、1世帯1住宅譲渡所得税の非課税と利子及び配当所得に対して非課税となる金融商品等があります。

税金「減免」とは違うものですか?

税法では、非課税以外にも様々な税金の免除制度があります。 納付する税金に対して一定税額を軽減、免除する制度が「(税金の)減免」です。 減免と非課税は違うものです。

非課税は最初から税金自体が発生しないため、税金申告、納付する必要はありませんが、減免は法で定めた一定の要件に該当する場合に限って納税者が申請するなど、税金申告義務と納税協力の義務があります。 税金の減免を受ける方式には、所得控除、税額控除、税額減免、低率課税などがあります。

日常生活の中の多様な非課税の恩恵

①非課税総合貯蓄に加入する時、利子所得の非課税:高齢者と障害者などが受け取る利子·配当の非課税

租税特例制限法により、金融機関が取り扱っている様々な貯蓄商品の中で非課税商品に加入すれば、元金5,000万ウォン以内であれば、利子や配当所得に対しては満期まで課税しない制度です。

加入限度は特定の銀行だけでなく、全ての金融機関を合わせて1人当り5,000万ウォン以内で適用されます。5,000万ウォン以下の元金に対する利子所得と配当所得が全て非課税となり、大韓民国に居住している満65歳以上の高齢者であれば加入することができます。その他にも社会的弱者の生計安定を支援するために障害者福祉法上登録された障害者、独立有功者、基礎生活受給者、国家有功者等が加入でき、適用期限は2022年12月31日以前に加入した利子·配当所得に限ります。

(注)
・独立有功者:「独立有功者礼遇に関する法律」に基づく殉国烈士や愛国志士(韓国併合前後から1945年8月14日までに、併合に反対もしくは独立運動のために抵抗した者として、建国勲章・建国褒章または、大統領表彰を受けた者等)。独立有功者やその子孫は法が定めた特例を受けることができる。
・基礎生活受給者:日本の生活保護受給者
・国家有功者:国のために貢献、犠牲になった人。 国家有功者やその子孫は法が定めた特例を受けることができる。

②1世帯1住宅譲渡所得税非課税

一つの世帯主が住宅を一軒だけ保有していれば、この住宅を売却した利益に対しては税金を賦課しない制度です。 1世帯1住宅譲渡所得税非課税の適用を受けるための要件は、

  1. 1世帯が
  2. 譲渡日において国内に1住宅(住宅付随土地を含む)を保有している場合で
  3. 当該住宅の保有期間が2年以上
    ・取得当時、調整対象地域の住宅は保有期間中の居住期間が2年以上
    ・譲渡当時の住宅が9億ウォンを超える高価住宅に該当しないこと
    ※ 2021年12月.8日以降譲渡分は取引価額を12億ウォンに引き上げ
    ※※ 譲渡基準日は残金清算日と登記移転日のうちいずれか早い日

(注)韓国非居住者の場合、一定の用件を満たす場合のみ適用されます。

1世帯1住宅要件を誤って適用すると追徴される場合が多く、最も大きな非課税制度の一つですので慎重に確認しなければなりません。

③組合などへの出資金·預託金の非課税:利子所得(3000万ウォン以下預託金)、配当所得(1000万ウォン以下出資金)の非課税

金融商品の非課税には、組合に出資した出資金と預けた預託金に対する非課税特例があります。 非課税の特例を受けるためには農業協同組合、水産業協同組合、セマウル金庫、山林組合、信用協同組合に一定金額を出資金として支払って組合員として加入します。

(注)セマウル金庫:日本の信用金庫と似た相互金融機関

組合員(準組合員、会員を含む)になると、出資した出資金に対して配当を受けることができます。 ここで発生する1人当たり1,000万ウォン以下の出資金に対する配当は非課税となります。

また、1人当たり3,000万ウォン以下の預託金に対しても、利子が発生すれば非課税となります。 フルに活用するためには、組合または金庫の出資金は1,000万ウォン、預託金は3,000万ウォンにしておけば、ここで発生する配当収益と利子収益に対しては税金は課されません。

④ウリ社株(以下、従業員持株といいます)配当所得の非課税:小額株主である従業員持株会員が長期保有した配当所得の非課税

従業員持株会員が従業員持株会を通じて取得した後、証券金融会社に預託した下記の従業員持株の配当所得は非課税となります。ただし、預託日から1年以内に引き出す場合、その引き出し日以前に支給された配当所得に対しては引き出し日に配当所得が支給されたものとみなして所得税を課税します。

  • 証券金融会社が発行した株券預託証明書により、従業員持株会員の従業員持株が基準日現在、証券金融会社に預託されていることが確認できること
  • 従業員持株会員が小口株主であること
  • 従業員持株会員が保有している従業員持株の額面価額の個人別合計額が1,800万ウォン以下であること。

⑤税制非適格年金受領時の非課税

個人年金商品の中には、年金納付金に対して納入当時は税額控除を受けることができませんが、一定要件を満たすことにより満期時に非課税となる年金があります。

⑥農漁家専用貯蓄の非課税:利子所得·貯蓄奨励金の所得税·贈与税·相続税の非課税

農業者と漁業者のみ受けられる非課税制度で、農業者と漁業者が加入できる貯蓄商品です。 そのため、農地原簿(農地台帳)や漁船の所有は必須です。 一定規模以下の農業者と漁業者の場合、2020年12月31日までの加入分に限り非課税の特例を受けることができます。

⑦「将兵明日準備貯金」の利子所得の非課税:月40万ウォン以内納入額 利子所得の非課税

国を守るために国防の義務を果たしている将兵のための非課税制度もあります。 軍将兵が「将兵明日準備貯金」に加入し、月40万ウォン以内を預け入れる元金に対して発生する利子は利子所得税が非課税とします。

(注)将兵明日準備貯金:兵役義務履行者が服務期間中に給与を積み立て、除隊後社会進出ができるよう銀行と業務協約を通じて高い金利を提供する代表政策金融商品

⑧農漁家の副業所得非課税

農漁民が副業で経営する畜産・藁工品製造・民泊・食品販売・お土産製造・伝統茶製造・養魚その他これに類する活動で発生した所得のうち次の所得は非課税とします。

  1. 農家の副業規模(所得税法施行令別表1)の畜産で発生する所得
  2. 1以外の所得として所得金額の合計額が年3,000万ウォン以下の所得

⑨1住宅賃貸所得非課税:1つの住宅を所有する者の住宅賃貸所得非課税

国内に所在する基準時価が9億ウォン以下の住宅を夫婦合算して1つだけ所有している場合、その住宅を賃貸することで発生する住宅賃貸所得に対しては非課税とします。

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節税の効果が大きい非課税! 注意事項を参考して、節税対策を立ててください。

出典:韓国国税庁公式ブログ

(注)赤色の注書きは、国税庁公式ブログの記事原文を翻訳する際、日本経営ウィル税理士法人で書き加えた部分です。

日本経営ウィル税理士法人

韓国税務担当 顧問税理士 親泊伸明
韓国税務担当 李 榕濟(イ・ヨンゼ)

本コーナーは一般的な情報をお伝えすることが目的であり、翻訳の限界から正確性・網羅性を保証するものではありません。このトピックスをご参考に意思決定をされて直接・間接に何らかの損害を被られても、一切の責任は負いかねます。意思決定にあたっては専門家に個別具体的にご相談なさってください。

日韓国際相続に関するご相談・お問い合わせ
[韓国税務担当]050-5330-1313

担当:李 榕濟(イ・ヨンゼ)
受付時間9:30〜17:30(土・日・祝日除く)

  • 事業形態 事業・国際税務
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  • 種別 レポート

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