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借名口座の使用、知らないふりをしていませんか?/韓国の税務情報

借名口座の使用、知らないふりをしていませんか?
(出展:韓国国税庁公式ブログ)

※韓国の税務・経済・法律情報から注目のトピックスをピックアップし、日本語に翻訳してお届けします

家族、従業員、法人代表者の個人口座など、事業者本人ではない他人名義の口座を借名口座といいます。 事業者が他人名義の口座に取引代金などを入金して貰うことは、借名口座の使用に該当します。

1993年8月金融実名制が導入されて以来、本人ではない他人の名前を借りたり盗用したりした金融口座などによる借名口座の開設および使用は厳然たる不法行為です。

「決済は私の夫の通帳にお願いします」、「取引代金は私の個人通帳に受けられますか?」 取引の際のこの様なお願いが「借名口座の使用」という不法行為の要求です。

それでは借名口座を使用したことによる不利益にはどのようなものがあるのでしょうか。 借名口座を使用した場合の不利益の事例と通報報奨金制度について確認しておきましょう。

借名口座を使用すると、どんな不利益がありますか。

① 借名口座の通報の受け付けがあった場合、国税庁は必要に応じて金融機関の協力を得たうえ、該当金融口座の内訳を綿密に検討するので、借名口座を使用した事業者は税務上の不利益を受けることがあります。

② 借名口座の使用については、故意または不注意を問わず、通報があった場合は税務調査などの対象になることがあります。

③ 借名口座の使用で収入金額などを脱漏した場合は、追加納付する税額だけでなく、高い利率の加算税と様々な加算税が賦課されることがあります。

④ 借名口座を使用して収入金額などを脱漏した行為が、租税逋脫行為に該当する場合、検察などに告発され処罰を受けることがあります。

借名口座の使用に伴う不利益事例

専門職事業者A氏は帳簿を虚偽で作成し、職員口座を利用した数億ウォン相当の収入漏れにより税金脱漏部分に対して追徴され、租税逋脱行為および金融実名取引および秘密保障に関する法律違反で起訴され懲役X月執行猶予X年を宣告されました。

区分正常申告時の納付額借名口座使用時の追徴税額等(無申告の場合)
付加価値税 本税5億ウォンx10%
=5000万ウォン
5億ウォンx10%
=5000万ウォン
      加算税 ー5億ウォンx10%x40%
=2000万ウォン
(不正申告加算税)
総合所得税 本税5億ウォン(課税標準)x40%-2540万ウォン
=1億7460万ウォン
5億ウォン(課税標準)x40%‐2540万ウォン
=1億7460万ウォン
      加算税 ー1億7460万ウォンx40%
=6984万ウォン
(不正申告加算税)
事業用口座未使用加算税 ー5億ウォンx0.2%
=100万ウォン
現金領収書(注)未発給加算税 ー5億ウォンx20%
=1億ウォン
合計2億2460万ウォン4億1544万ウォン

*納付遅延加算税等は省略

(注)現金領収書制度:韓国では消費者が現金支払時、カード・携帯番号等を提示すれば、事業者は現金領収書発給端末機から現金領収書発行し、取引内容は国税庁に報告される。現金領収書は年末調整の控除の対象になる。

→脱漏金額5億ウォン、正常申告の2倍に近い税金を納付(脱漏金額5億ウォン、正常申告税額2億2460万ウォン、追徴税額など4億1544万ウォン)

借名口座通報受付

書面事業者の管轄地方国税庁及び税務署
インターネット国税庁ホームタックス(www.hometax.go.kr)→相談/通報→事業者借名口座通報
ARS局番なしで126(4番→1番)利用

借名口座の通報対象は、法人または複式簿記義務のある個人事業者が他人名義で保有または使用している金融口座です。 その他事業者に対する借名口座の通報も受け付けできますが、報奨金の支給対象から除外されます。

通報対象の取引類型の例

① 結婚式場の予約のためにAウェディングホールを訪れた新婚夫婦のチェ氏とイ氏は、契約金x百万ウォンを契約書上の口座に入金したが、A名義ではなくウェディングホール室長名義の口座と確認され、該当口座を借名口座に通報

② 団体旅行の幹事のキム氏は江原道の有名飲食店Bを予約する際、名刺に書かれている口座に代金を支払ったが、その口座が代表者の家族名義の口座と確認され、これを借名口座に通報

③ 会社員のチョン氏は整形外科Cで手術費20%を割引する条件で現金決済を勧められ入金したが、該当口座が職員名義の口座と確認され、これを借名口座に通報

④ 大学生のパク氏はインターネットショッピングで、気に入ったサーフィン用品を購入しようとホームページに案内された口座番号に入金したが、インターネットショッピング法人の商号とは別の個人名義の口座と確認され、これを借名口座に通報

借名口座通報書の作成要領

通報の内容
借名口座の取引内容を六何の原則(注)に基づき詳細に作成し、入金証憑(インターネットバンキングの内訳、通帳コピーなど)を添付して通報
作成例
「本人は2022年〇月〇日、取引先(株)脱税ドットコムから品物を購入したが、取引先代表者から現金で支払えば代金の10%を値引きできると言われました。今持ち合わせがないと言ったら口座振替でも良いと代表者名義口座番号(○○銀行、123-45-567890、口座名義△△△)を教えてもらって代金を入金しました。 代金決済後に考えてみたら、法人名の口座ではなく代表者の個人口座を知らせるのは借名口座の使用と判断し、通報をします」

(注)「何時(いつ)、何処(どこ)で、何人(なんびと)が、何を、何故に、如何(いか)にして」。5W1Hとも呼ばれます。 

報奨金の支払い

通報された借名口座により脱税額1,000万ウォン以上追徴される場合、通報年度基準で人別年間5,000万ウォン限度に通報口座1件当り100万ウォンの報奨金を支給します。 ただし、次の場合には報奨金を支給しません。

① 同一の借名口座に対する最初の通報でない場合

② 法人又は複式簿記義務者以外の事業者に対する借名口座の通報である場合

③ 仮名または第三者名義で通報したり、公務員が職務と関連して資料を提供した場合

________________________________________

複式簿記義務者*などは事業と関連して財貨または用役を受けたり提供をする場合には取引代金を決済したり受け取る場合には事業用口座を使用しなければなりません。

*法人の場合は法人名義の口座を使用しなければなりません。 (法人代表者口座×)

借名口座の使用は不法行為であり、最善の節税方法は借名口座を使用しないことです。

出典:韓国国税庁公式ブログ

(注)赤色の注書きは、国税庁公式ブログの記事原文を翻訳する際、日本経営ウィル税理士法人で書き加えた部分です。

日本経営ウィル税理士法人

韓国税務担当 顧問税理士 親泊伸明
韓国税務担当 李 榕濟(イ・ヨンゼ)
韓国税務担当 崔 暎銀(チェ・ヨンウン、日本名:戸野由理)

本コーナーは一般的な情報をお伝えすることが目的であり、翻訳の限界から正確性・網羅性を保証するものではありません。このトピックスをご参考に意思決定をされて直接・間接に何らかの損害を被られても、一切の責任は負いかねます。意思決定にあたっては専門家に個別具体的にご相談なさってください。

日韓国際相続に関するご相談・お問い合わせ
[韓国税務担当]050-5330-1313

担当:李 榕濟(イ・ヨンゼ)/崔 暎銀(チェ・ヨンウン、日本名:戸野由理)
受付時間9:30〜17:30(土・日・祝日除く)

  • 事業形態 事業・国際税務
    相続・オーナー
  • 種別 レポート

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