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税理士の経営・財産・相続トピックスVol.089「Never Die in Japan !」

国際金融都市の行方

日本経営ウイル税理士法人
代表社員税理士 丹羽修二

2021年度税制改正大綱で外国人に関する相続税の改正がありました。

「日本では死ねないぞ!」外国人の方の言葉です。日本の相続税の最高税率は55%です。最高税率が課税される資産の課税部分では半分残らないということになります。世界でも類を見ない高税率が人生の終焉で待ち構えているのです。

今回の改正は、一定の在留資格を有する外国人の、国外財産に関する課税緩和の改正です。目的は国際金融都市に向けて人材確保のための措置です。稼げる優秀な外国人を日本に繋ぎ止めたいのです。

コロナ禍前、アジアを中心に海外からの日本への人の流れは年々加速していました。その勢いはアフターコロナになっても変わらないでしょう。

ビジネスであっても、若い人であっても日本へのインバウンドは増加します。また、国際結婚も進みます。海外の方々との接点はさらに身近になり、密になります。

ところで、子供さんや相続人の方々が海外に居住されている場合であっても、日本に居住されている方から相続で資産を受け取る場合には、海外の資産(国外財産)を受け取っても日本の相続税が課税されます。海外にある資産は課税対象にならないと勘違いされるケースが多々ありますが、勘違いの無いようにご注意ください。

日本の国税・地方税の令和2年度税収予算は約110兆円、そのうちに占める相続税・贈与税は約2兆3千億円。税収予算全体の2.3%しかありません。

優秀な人材や資産家が「日本から出て行こう!」と言って海外に行ってしまう。稼げる外国人や資産家の外国人が日本から資産を引き上げてしまう。そうなっては、国力は下がる一方です。

本気で国際金融都市としての位置付けを目指すのであれば、相続税を廃止するというのも一案です。稼げる人と資産家を日本に呼び込めば、相続税の税収以上の経済効果は間違いなく出るでしょう。

中途半端な策やチョコチョコした策では流れは変わらない。本気で国際金融都市として勝ち残るためには中途半端な策は逆効果。大胆な策で流れを変えて、一発逆転を国家に期待したい。

「Go JAPAN !」

2021年2月1日

日本経営ウイル税理士法人
代表社員税理士 丹羽修二

本稿は掲載時点の情報に基づき、一般的なコメントを述べたものです。実際の税務・経営の判断は個別具体的に検討する必要がありますので、税理士など専門家にご相談の上ご判断ください。本稿をもとに意思決定され、直接又は間接に損害を蒙られたとしても、一切の責任は負いかねます。

  • 事業形態 事業・国際税務
  • 種別 トピックス

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