税理士の経営・財産・相続トピックスVol.042「決算書分析」
昨年の原稿にてボランティアについて次月に記載しますと申し上げながら、別のテーマとしてしまいましたので、今回触れさせて頂きます。
残業時間の上限60時間の話題や、勤務時間のインターバルの設定等、最近は労務の話題が盛り沢山です。ブラック企業、ブラックバイト、サービス残業等々、私が気になる言葉も盛り沢山です。
米国の病院ではボランティアは一般的な活動です。大学病院などでは1000人、2000人という単位の活動です。指標としては、短時間の活動が多いため人数ではなく総時間数で示します。大学病院では、年間10万時間以上になります。ボランティアですので、給与はなく、手弁当ですから見返りは全くありません。現地の人に話を聞くと永くボランティアをすることは大変な誇りのようです。
歴史も文化も社会背景も違いますので、活動自体の良し悪しを述べるものではありません。しかし、決算書には表現されない重要事項です。1000人のボランティアは人財としての貸借対照表に載らない財であり、10万時間の活動は損益計算書に載らない人的活動です。
3月は年度末、4月は年度始め、決算書を見る時期です。貸借対照表に載らない財はあるか? 損益計算書に載っていないが支えられている活動はあるか? 決算書の重要な分析です。
(2017年3月1日 税理士法人日本経営 代表社員税理士 丹羽修二)
本稿は一般的な内容を分かりやすく解説したものです。実際の税務・経営の判断は個別具体的に検討する必要がありますので、税理士など専門家にご相談の上ご判断ください。本稿をもとに意思決定され、直接又は間接に損害を蒙られたとしても、一切の責任は負いかねます。
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