税理士の経営・財産・相続トピックスVol.032「医療法人と地域医療」
昨年10月に改正医療法が参議院を通過し、今年の3月には改正社会福祉法が参議院を通過しました。共通していることは「ガバナンス」の要求。透明性、内部統制、監査…。
医療法人関連の主要な改正項目は、次のとおりです。
① 地域医療連携推進法人の制定
② 医療法人のガバナンスの要求事項
③ 一定規模の医療法人の法定監査
④ 医療法人の分割規定
医療法人に関する規定も変わります。理事会設置、理事長の理事会報告義務、監事の理事会出席義務など、医療法人の位置づけは、個人から組織へと要求事項が変化していきます。医療法人の社員に、非営利法人が法人として就任することも可能になります。
負債総額が50億以上または収入が70億以上の医療法人には、法定監査が要求されます。企業における偽装、社会福祉法人の不正会計、組織が社会から求められるコンプライアンスが法律となって、医療法人にも明確に求められるようになります。
しかし、企業体としての事業を後押しする規定も整備され、社員の非営利法人参画、地域医療連携推進法人、合併・分割等が可能になります。成長発展する医療機関グループと、淘汰される医療機関グループの方向性が分かれます。
(2016年5月1日 税理士法人日本経営 代表社員税理士 丹羽修二)
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