クリニックにおける記帳・納税…「面倒」な作業を減らすには?
解説:日本経営ウィル税理士法人
森蔭 咲子
経理処理の時短を目指す!使い慣れたい便利機能
ペーパーレス化、DX化、API連携、このようなフレーズを聞くことが多くなりましたが、診療所という業態ではあまり関係ないと思われている方もいらっしゃるかもしれません。確かに、診療所の事務処理・経理処理は、旧態依然とした方法で行われていることが少なくありません。よく分からないから、難しそうだから、と敬遠されている方もいらっしゃるかもしれません。しかし、人材の確保がどんどん難しくなってきている昨今、人が減っても成り立つ、人が減っても困らない仕組みをどのように作っていくか、日常の作業をどうすれば減らせるか、を常に考えることが重要です。
キャッシュレス決済で作業を減らす
領収書を整理して、起票する作業は、皆が面倒に思う作業の代表的なものです。小さなレシートや、領収書をとっておいて、日付・金額・支払先を記入する、非常に面倒です。この作業を減らすために、極力、クレジットカードや電子マネーで決済してみましょう。使用履歴データをそのまま、使用することができます。処理ミスが大幅に減ることも、期待できます。
金融機関手続のWEB化によるメリット
会計処理のために、通帳記帳をしなければならない、という作業も、ネットバンクを活用することで解決できますし、そのデータも処理に使用できます。通帳という「モノ」がなくとも確認、処理ができるということは大きなメリットです。
慣れていらっしゃらない方からは、「紙でないと間違えそうで怖い」というお言葉も頂きます。しかし、紛失のリスク、転記時の誤りのリスク、また、保管をする場所のコストなど、「紙のほうが危うい」という側面も否めません。様々な情報がデータ化できている今、それを活用しない手はありません。
記帳の作業時間も減らせる
近年、金融機関側も、会計ソフトなどとの連携を前提としたサービスの拡充、セキュリティーの強化に取り組んでいます。データ活用を始められた事業所では、従来は手書きで行っていた出納帳の記帳など、これまでかけていた作業時間が大幅に削減できたというお声を頂くことが多いです。是非、ご利用の金融機関手続のWEB化、データ連携の方法を当社までお問い合わせいただければと思います。
「納税は銀行窓口に行かなくては」はやめられる
「納税は納付書をもって銀行窓口にいく」が、業務のひとつとして組み込まれているケースが多いのではないでしょうか。税金の納付は、様々な別の方法に変更することができます。ダイレクト納付・クレジットカード納付などです。2019年以降は、税務署から送られてきたQRコードのみならず、事務所等で作成したQRコードでも納付ができるようになっています(ただし30万円未満)。今後地方税へも拡充されていく予定です。QRコードがあれば、コンビニエンスストアでの納税も可能です。金融機関窓口が開いている時間に合わせて行動し、場合によっては待つ、ということはもう必要ありません。
クリニックでも少しずつ広がっている電子納税
おおまかにいうと、納付書以外での納付を「電子納税」としていますが、当社において2021年7月の源泉所得税の納付を電子納税で行った割合は約16%でした。年々お客様の希望により増加する傾向にあります。電子納税を行われたお客様は、手放せない便利さだとおっしゃいます。お忙しい経営者・経理担当者の方はぜひ一度トライしていただければと思います。
解説:医療事業部 森蔭 咲子
本稿はご回答時点における一般的な内容を分かりやすく解説したものです。実際の税務・経営の判断は個別具体的に検討する必要がありますので、税理士など専門家にご相談の上ご判断ください。本稿をもとに意思決定され、直接又は間接に損害を蒙られたとしても、一切の責任は負いかねます。
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