診療所の経営・相続Q&A「キャッシュレスへの対応」

0001Q:当院では、窓口負担は患者さんに現金でお支払いいただいています。世間ではキャッシュレスが進んでいますが、手数料を支払ってまで精算方法の多様化に合わせるべきなのか悩みます。


 

A:患者さん側と、診療所側の、両方の立場からメリット・デメリットを把握しておく。

 

支払い方法の多様化にどこまで対応すべきか

支払いが無料になるキャッシュバックキャンペーンやポイント還元率大幅アップなど、スマホ決済サービスが大きな話題を呼びました。消費税増税に向けて、キャッシュレスが加速し、クリニックにおいても支払い方法の多様化への対応は無視できないテーマになっていくかもしれません。

いち消費者としては、クレジットカードを日々のお買い物や経費の支払いに利用されていることと思います。

言うまでもなく、カード利用のメリットは、毎月利用明細がまとめられるので、支出の管理がしやすくなるということです。最近はクレジットカードだけでなくスマホ決済など支払方法の選択肢も広がり、利用できる店舗も拡大しています。

税金の納付もクレジットカード払いができるようになりました。納付税額に応じた決済手数料が必要となります (最初の1万円までは76円(消費税別)、以後1万円を超えるごとに76円(消費税別)が加算されます) が、カード決済によるポイントが付与されます。手数料とポイント還元分を比較して、クレジットカードでの決済を考えてもいいかもしれません。

事業所としての立場から、窓口の支払いにおけるクレジットカード決済の導入について考えてみましょう。

政府は2019年10月からの消費税増税に合わせて、クレジットカードなどのキャッシュレス決済を利用した消費者に対し、購入額の5%又は2%分をポイントやキャッシュバックで還元する施策を打ち出しています。診療所や薬局ではポイント還元の事業所の対象となる可能性は低いですが、キャッシュレス促進の政策がすすめられると、現金を持たずに診察に来られる患者さんも出てくるかもしれません。キャッシュレス決済ができないことで、ちょっとしたトラブルになることもあるでしょう。

患者さんの利便性を考えると、診療所の支払いにおいてもカード決済の需要は高まるのではないでしょうか。

 

手数料・ポイント還元・利便性がキーワード

カード決済を導入した場合、診療所は決済手数料を負担しなければなりません。既に導入している診療所では、一定額以上の場合のみ使用可といった金額制限をしたり、自由診療の支払いのみに限定するなどして、手数料をできるだけ抑えられるよう工夫しています。

ただ、手数料を惜しむあまり患者さんの利便性を軽んじてしまうと、逆効果となります。カード決済を導入し、利用しやすい診療所としてアピールするべきか、悩ましいところです。

利用者の立場、事業所の立場。どちらにおいても、手数料・ポイント還元・利便性がキーワードになります。

今後のキャッシュレス化の動向をよく見て、場合によっては今までの体制を見直していくことも必要になるかもしれません。

(2019年05月08日 医療事業部 主任 沢野麻梨)

 

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