診療所の経営・相続Q&A「貯金する余裕がない」

0001Q:開業して5年。思ったより立ち上がりが遅く、貯金できる余裕はありません。このまま収入が横ばいになってしまうことを心配しているのですが。


 

A:人生には、いろいろなシーン、ステージがあります。給与の少ない中から貯蓄するからこそ、倹約の習慣が身につき、チカラを貯え、本当に自分が生かされるときに発揮できるのではないでしょうか。

 

少ない中から貯蓄するからこそ、倹約の習慣が身につき、チカラを貯え、本当に自分が生かされるときに発揮できる

私が新入社員として日本経営に入社したとき、一番最初に、創業者から教えられたことがあります。それは「貯蓄の精神」。「貯蓄をすることは徳を積むことと同じ」と言われました。しかし、当時は分かったような分からないような、正直ピンときませんでした。

その後、何年も診療所の税務顧問・会計顧問を担当させて頂く中で、多くのクリニックの先生方と経営についてお話をさせていただいてきました。いまでは、「貯蓄とは徳を積むことである」という意味が、私なりに理解できるようになってきました。

人生には、資金の余裕が無く生活もままならない時期や、生活は出来ているが次の設備投資には二の足を踏む時期など、いろいろなシーン、ステージがあります。

最初から高い給料で、それを当たり前と思い、もっともっとという生活では、いつまで経っても貯蓄はできず、幸せや安心、感謝を感じることもできないでしょう。

給与の少ない中から貯蓄するからこそ、倹約の習慣が身につき、チカラを貯え、本当に自分が生かされるときに発揮できるのだと思います。

 

最初から余裕があるわけではなく、そういう振る舞い(貯蓄)をするから、余裕が生まれてくる

ところで、環境が変われば、人も変わります。少し経済的裏付けが出来ると、いつの間にか贅沢が身について、締め直そうとしても、もうどうにもならない。そういう精神が、経営や人生にそのまま跳ね返ってきます。

給料が少なかろうが多かろうが、未来のために、お金の余力を残しておく。未来のために、少しずつ時間を投資しておく。未来のために、患者さんやスタッフさん、家族の方々に対して、感謝されるような接し方をしておく。

見返りはないかもしれません。多分、ないでしょう。それでも、その「余裕」が重要なわけです。最初から余裕があるわけではなく、そういう振る舞い(貯蓄)をするから、余裕が生まれてくるのだと思います。

これだけ忙しい毎日を過ごされて、これだけ患者さんやスタッフのことで悩まれて、そんなプレッシャーの中でも、余裕のある生き様をされている先生方に、これまで何人もお会いして来ました。

貯蓄とは余裕、優しさ、徳です。経営で言えば、利益です。返済ができ、設備投資ができ、不測の事態にも対処できる。利益を出して、納税をして、手元にお金が残って、時間や人に余裕を持った接し方をすること。経営とは徳であり、利益であり、貯蓄である。仕事を通して、私は多くの先生方から、そのようなことを教えていただいているのだと思います。

(2017年12月20日 医療事業部 課長代理 作田裕輔) 

 

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