診療所の経営・相続Q&A「医療機器への再投資」

0001Q:開業して7年、そろそろ医療機器への再投資が必要ですが、時期と金額で悩んでいます。他院ではどのように検討・意思決定していますか。


 

A:診療所を経営する中で、設備投資に悩まれる先生方は多いと思います。しかし、設備投資に関する悩みと一言で言っても、その内容は様々です。例えば、ご質問にあるように最新の医療機器を導入したいと考えたとします。どこのメーカーのどの機種にしようか、どこの医療機器卸を通して購入するか、支払は割賦かリースか、はたまた借入をするのか。借入をするのなら、どこの金融機関からいくら、借入の利率は何%か、何年で返済するのか、等々、特に設備投資の金額が大きいほど、検討することはたくさんあります。

 

設備投資の目的、費用対効果、事業計画

ご相談をいただいた際、まずはその設備投資の目的についてお聞きしています。増収目的なのか、患者満足度の向上やスタッフ業務の効率化が目的なのか、目的を明確にすると、ほかにも選択肢があったり、ほかにもやらなければならないことに気づいたりします。目的が明確になったら、費用対効果について考えます。例えば医療機器の場合、その機器を導入したことにより、増収がどのくらい見込めるのか、何年使用することで設備投資額を回収可能なのか、何年使用する予定があるのかなどです。それらを考慮した上で、導入の是非を検討します。金額が大きかったり、経営に対するインパクトが大きい場合は、事業計画書の作成が不可欠になるでしょう。

 

購入方法の検討

設備投資の有用性が確認できたら、次に購入方法を検討します。資金繰りに十分に余裕があるようでしたら、まず現金購入を考えてみます。しかし、そうでない場合は、割賦払いやリース、金融機関からの借入を検討します。

割賦払いの場合 契約期間を定めて、物件代金を分割で支払う購入方法です。保険料や償却資産税は医院の負担となります。
物件代金に金利を上乗せした額が割賦総額となります。
リースの場合 物件をリース会社が購入し、医院へリースする賃貸借契約です。原則的には途中解約不可で、保険料や償却資産税もリース会社が負担します。物件代金に、保険料や償却資産税、金利を上乗せした額がリース総額となります。リース期間終了後も継続して物件を使用したい場合は、再リース料が発生しますが、満了時の買取りも可能なケースがあります。
借入の場合 金融機関から借入をして、物件を購入する方法です。
保険料、償却資産税等は医院の負担となります。
借入条件(経営状況や保証人の有無、担保等)によっては、割賦払いやリースよりも安い金利で購入できる可能性があります。

いずれの方法にしても、支払期間(回数)が毎月の資金繰りに大きく影響するため、無理のない支払条件を選択し、余裕ができれば例えば繰上げで支払うなど選択の余地を残したいものです。

 

事業計画の中で計画的に、無理無駄のない投資計画を立てる

設備投資は、医院にとって大きな意思決定事項です。選択を誤れば、経営を悪化させてしまうことになりかねません。とはいえ、院長先生がより良い医院経営をしたいと考えるのならば、時に思い切った投資も必要です。そのためには、事業計画の中で計画的に、無理無駄のない投資計画を立てることが重要です。そして、投資計画を立てるからこそ、計画と実績の乖離も認識することができます。想定していたように患者数が伸びない、収益に繋がらない、機器が思うように使いこなせない…このような乖離を認識してチームを舵取りしていくことの積み重ねが、先生の描く将来像、思いを実現していく一歩一歩になっているのだと思います。

(2017年7月20日 医療事業部 チームリーダー 藤井亜希子) 

 

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本稿はご回答時点における一般的な内容を分かりやすく解説したものです。実際の税務・経営の判断は個別具体的に検討する必要がありますので、税理士など専門家にご相談の上ご判断ください。本稿をもとに意思決定され、直接又は間接に損害を蒙られたとしても、一切の責任は負いかねます。

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