病院経営・財務Q&A「介護医療院の創設と介護療養病床」

0001Q:「介護医療院」の創設によって、介護療養病床からの病床転換が相当進むという話を聞きましたが、どのような点に留意が必要か、ポイントを教えてください。


 

A:平成30年3月に廃止予定となっていた介護療養病床について、新たに介護医療院を創設し、6年間の経過措置後に介護療養病床を廃止する見込みとなりました。介護療養病床は、平成18年の診療報酬・介護報酬同時改定の際に、平成24年3月に廃止されることとなりました。しかし、大幅な転換には至りませんでした。今回も6年間の経過措置が設けられましたが、平成24年とは状況が異なっており、転換が徐々に促進されると考えられます。

 

介護療養病床の病床転換

今回の経過措置のポイントは2点あります。

1点目は、介護医療院が設けられ、さらにその中で複数の類型が設けられる予定であることです。現在の介護療養病床の患者層に合わせた転換先を、選択出来るようになる予定です。さらに、医療外付け型を医療機関に併設することが可能となり、在宅医療・在宅介護を受けながら病院に居続けることも可能となります。平成24年の時よりも選択肢を多く準備しており、より病床転換が進むと見込まれます。

2点目は、在宅医療・在宅介護が以前に比べると充実していることです。在宅医療・在宅介護を受けることで、介護療養病床ではなく、他の介護施設又は高齢者住宅等で生活できる可能性があります。介護療養病床の廃止に伴い、在宅医療・在宅介護サービスを複合的に組み合わせたサービスへの移行が促進される可能性があり、病床転換が進むと見込まれます。

介護療養病床の転換に向けては、具体的な制度内容はこれから決まっていきますが、介護医療院への転換だけでなく、医療療養病棟への転換も検討できるため、今後方向性を決めていく必要があります。

 

医療療養病床25対1の病床転換

一方、医療療養病床25対1の人員配置標準の経過措置が、平成29年度末で終了します。この医療療養病床25対1でも、平成28年度の診療報酬改定にて医療区分割合の基準が設けられ、平成30年以降は医療療養病床20対1又は介護医療院への転換が促される可能性が高いでしょう。また、平成30年の診療報酬改定では医療区分の評価基準がマイナーチェンジになる可能性が高く、対象となる患者の集客能力や診療体制の構築が必要です。長年、患者構成に変化がなかった医療療養病床では、職員が変化に対応出来ない可能性もあり、院内での体制整備を進めておく必要があると思われます。

 

地域包括ケア病床(病棟)の導入

上位基準として、地域包括ケア病床(病棟)の導入に向けた動きも活発化しています。主なポイントとしては、看護基準、看護必要度、リハビリテーション、在宅復帰、在宅医療の実施が挙げられます。
多くの療養病床では重症患者を受け入れするため又は夜勤従事者の負担軽減のために、基準よりも多めの職員配置になっていることが多いと思います。また、リハビリテーションに力を入れている療養病床も多くなってきており、実績を満たしていく仕組みを整えると、地域包括ケア病床(病棟)の要件を満たす可能性もあります。

 

平成30年の診療報酬・介護報酬同時改定まであと半年程度となっていますが、療養病床を新類型へ転換していくのか、地域包括ケア病床(病棟)のような上位基準へ移行していくのか、あらゆる選択肢を検討し、次回の改定に向けて準備を進めていくことが重要だと考えられます。

 

(2017年8月5日 病院財務 課長代理 辻秀也) 

 

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